本ページについて
Phroze社の3DプリンタであるShuffle シリーズをご利用の場合にはZ軸キャリブレーションと呼ばれる作業を行う必要があります。
本ページではそのZ軸キャリブレーションについて解説します。
なお、写真などはShuffle 4K のものを利用しており、ご利用の機種によってはプラットフォームの形状などが一致しない場合があります。
対象になる機種
本ページで説明する内容は下記の機種を主に対象としています。Sonic XL 4K,Sonic, Transform等についてはShuffleシリーズではありませんが操作が共通であるため、このページ記載の事項が適用されます。
リストに記載がない機種についても手順に差異があるものの、Z軸キャリブレーションの概念や目的、基本的な手順は共通である場合も少なくないかと存じます。
- Phrozen Shuffle XL 2018
- Phrozen Shuffle XL 2019
- Phrozen Shuffle 2018
- Phrozen Shuffle 2019
- Phrozen Shuffle 4K
- Phrozen Sonic
- Phrozen Sonic XL 4K
- Transform
- Transform FAST
Z軸キャリブレーションとは
Shuffle では、プラットフォームと呼ばれる部品が液体状のレジンの中に入り、プラットフォームが設定された位置に来たときに紫外線を照射しレジンを硬化させます。硬化したレジンはプラットフォームに固着し、プラットフォームが上昇する時に一緒に引き上げられます。
これを繰り返し一層ずつ積み重ねることで、造形を行うという仕組みをしています。
この時、プラットフォームの基準となる位置がズレていると出力の失敗の原因になることがございます。例えば、プラットフォームが理想よりも高い位置を基準点としていると、硬化したレジンがプラットフォームに固着しない、あるいは固着が弱くなってしまう場合があります。そうなると出力の過程で出力物が脱落し出力に失敗します。
Z軸キャリブレーションとは出力の開始前にプラットフォームの基準点を正しく設定することで、出力が成功するようにするための設定です。
注意と補足
- Z軸キャリブレーションを行う際には必ずプラットフォームのネジを緩めてください。ネジが締まったままZ軸キャリブレーションを行うとLCDパネルを破損するなど故障の原因になります。
- Z軸キャリブレーションを行う際にはプラットフォームに出力物の残存物がないようにしてください。プラットフォームに以前の出力物が付着したままZ軸キャリブレーションを行うとLCDパネルを破損するなど故障の原因になります。
- 下記ではレジンVATを使う手順を紹介いたしますが、紙などでも代用できます。
本ページでは紙は厚さがそれぞれ異なり必ずしも適切な位置につけるわけではないことから、レジンVATを使用してZ軸キャリブレーションを行っております。
Z軸キャリブレーションの方法
- プラットフォームの土台を固定している4つのネジを緩めます。この時ネジが外れない程度に緩めてください。ネジが外れてしまった場合には付け直してください。
緩めると取手部分を上下させられるようになります。なお、ネジを緩めてもやや引っ掛かりがあり、取手を持ち上げただけでは土台部分が下がらないことがありますが、それは正常です。
土台部分を手で押さえて、取手を持ち上げたときに引っ掛かりがありながらも持ち上がるのであれば正常な範囲です。 - ネジを緩めたプラットフォーム、レジンVATを本体に取り付けます。
- 本体の電源を入れ、タッチパネルの[Z-AXIS]をタッチした後、画面右端に表示される三角形に挟まれた丸をタッチします。
- [NEXT]をタッチすると、プラットフォームの下降が始まります。最下部に到達すると、一旦少し上昇したのちに再度下降し停止するので、それまで待ちます。
- プラットフォームが最下部につき、下記の画面がタッチパネルに表示されたら、プラットフォームのネジを締めます。
この時、プラットフォームの土台の高さが変わらないようにネジを締めてください。 - ねじ止めが終わったら、[DONE]をタッチしてください。タッチするとプラットフォームが上昇を始め、最上部付近に到達すると自動で停止します。
自動で停止したらZ軸キャリブレーションは完了です。
Z軸キャリブレーションを行うべきタイミング
Z軸キャリブーレションを毎回行うことは必須ではありませんが、出力の失敗を避けるという観点からは毎回行うことを推奨します。ネジ締めが甘かった等の原因で、長時間や繰り返しの出力により徐々に固定がズレてくる可能性が考えられるからです。
この点については毎回行う手間と出力の失敗を避けられるメリットを衡量して、どの程度の頻度で行うのがご自身にとってベストかを考えて決めていただければ幸いです。