本ページについて
光造形タイプの3Dプリンタは、3Dプリント用のレジンが持つ特定の波長の光(以下、単に「紫外線」と呼称します)がを当てることで硬化する性質を利用して、出力を行います。
しかし、何等かの理由により、レジンに紫外線が当たらない状況にある場合にはレジンが固まらず出力に失敗する場合があります。
本ページではそのような症状が起きてる場合の対処方法について説明します。
補足
本ページは、レジンが硬化しない場合を対象としています。
「レジンは硬化するものの、思った通りの形にならない」というようなレジンの硬化が見られる場合は対象としませんのでご注意ください。
原因について
考えられる原因
上述のように、レジンは紫外線に当たると硬化します。そのため、レジンが硬化しないという場合には紫外線とレジンの接触が阻害されてることを意味します。
具体的には下記2つのケースが考えられます。
- 液晶パネル(LCDパネル)が機能しなくなっており、LEDから発せられる紫外線を遮光しているためレジンVAT内のレジンに紫外線が当たらない。
- LED自体が点灯していないため、紫外線がレジンにあたらない。
原因の切り分け方法について
上記の2つのうちどちらが原因となっているかを判別するためには、下記のことを行ってください。
- LCDテスト等LCDパネルの動作を確認できる操作を行います。
なお、LCDテストの実行方法については機種により異なります。 - LCDテストの実行時に、本体内部のLEDがつくかどうかを確認してください。
LEDがつく場合には紫色(あるいはそれに近い色)が発せられます。
なお、この時、確認するのは光がつくかどうかであり、その明暗などは考慮する必要はありません。「光はついたがいつもより暗くみえる」という場合も「光がついた」と判定してください。 - LCDパネル上にLCDテストを行った際に表示されるはずのパターンが表示されているかを確認してください。どのようなパターンが表示されるかは機種によって異なります。
対処について
上記の切り分け方法の手順2で、光がつかなかった場合
LEDが点灯していない状態です。
この場合には下記のことを行ってください。
- ご利用のACアダプタがその3Dプリンタの付属のものであることを確認してください。
付属品以外のACアダプタをご利用の場合には、ACアダプタの性能が足りずLEDがつかない場合がありますので、付属品をご利用ください。 - 付属品のACアダプタを使っている場合や、ACアダプタが付属品かわからない場合には、
- レジンが固まらなくなる症状が出てる旨
- LEDがついていないことを確認した旨と、そのことを確認できる動画等
- ACアダプタは付属のものを使っている、または、ACアダプタが付属のものかわからない旨
を記載の上、こちらからその旨ご連絡くださいませ。
上記の切り分け方法の手順3で、パターンが出ていなかった場合
LCDパネルが正常に機能していない状態です。
そのような状態になる前にLCDパネルを取り換えたり、LCDパネルと本体内部の基板の接続を外した、あるいは接続が外れるような衝撃を与えたというような事情がない場合には、LCDパネル自体が故障している可能性があります。
LCDパネルの交換を検討してください。
LCDパネルの交換については、LCDパネルを弊社webページからご購入いただき、お客様ご自身で行っていただくこともできます。また、そういった作業に不慣れであるという場合には弊社で代行させていただくことも可能です(作業を弊社で代行する場合には、基本的には有償での対応となります)。
作業の代行を検討される場合には、
- レジンが固まらなくなる症状が出てる旨
- LCDパネル上にパターンが出ていないことを確認した旨と、そのことを確認できる写真・動画等
- LCDパネルの交換の代行を希望する旨
を記載の上、こちらからその旨ご連絡くださいませ。
なお、LCDパネルと保証の関係についてはこちらもご参照くださいませ。