概要
プリント中に生じる糸引きという造形エラーの原因と対策についての記事です。
原因
ヘッドが移動する際にノズルから余分なフィラメントが漏れ出ることで生じています。
対策
スライサーの設定で【引き戻し距離】【引き戻し速度】の数値を上げる。
引き戻しとはヘッドが移動する際にフィラメントを吐出と反対方向に引き戻すことを意味します。
フィラメントを引き戻すことで、ヘッド移動時のフィラメント漏出を防ぎます。
数値を上げ過ぎると、引き戻し後の吐出量が足らず造形不良となる可能性があるため注意が必要です。
ノズルの温度を下げる。
ノズル温度が高すぎるとフィラメント漏出の原因となります。しかし、低すぎると吐出不足で造形不良となります。使用環境の温度などによって最適な温度が異なりますので、出力結果を観察し設定温度を変更してください。
スライサーの設定で【コーミングモード】をオフ以外にする。
デフォルト設定でコーミングモードはオフになっています。コーミングモードがオフになっているとヘッドが移動する際に造形されていない空中を移動します。
コーミングモードをオンにすると造形されている範囲のみでヘッドが移動するので糸引きが起きにくくなります。
糸引きは解消されますが、ヘッドが最短距離を移動しなくなるのでコーミングモードオフ時に比べて造形に時間がかかります。