本ページについて
弊社の3D プリンタに同梱されている電源ケーブルのプラグ部分が下記の画像のように3ピンのものになってることがあります。
このタイプの電源プラグについて、一般家庭で見ないケースもあるためか、『海外用ではないか?』『日本国内で使用できないのではないか?』というご質問をいただくことがあります。
結論から申し上げますと、このタイプの電源プラグも国内で広く活用されているものであり、海外用であるというのは誤解です。本ページではその点についてご説明させていただきます。
なお、3ピンタイプの電源ケーブルを利用するために必要なものについてはこちらをご参照ください。
3ピンタイプの電源プラグと国内の規定について
上記の写真のような、通常の2本の刃に加えて、3本目の円柱などがあるタイプの電源プラグは「2極接地極付差込プラグ」(以下では単に"3ピンタイプ"と呼びます)と呼ばれるものです。
このタイプの電源プラグは、電気用品安全法(以下、電安法) 及び関連法令や日本工業規格(いわゆる JIS )で規定されています。
具体的には「電気用品の技術上の基準を定める省令(平成25年経済産業省令第34号)」並びに同省令の解釈に関する経済産業省の通達である「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について」の別表第四に3ピンタイプのプラグの形状が規定されています。
JIS については、JIS C8303 で規定されています。
「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について」の別表第四についてはこちらのリンク先に掲載されておりますので、そちらをご確認ください。
上記のように3ピンタイプの電源プラグは国内の法令等にも規定されているものです。したがって、海外用であるというのは誤解です。
なお、上記の経産省通達「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について」ならびにJIS C8303ではアースピンの形状について、「U」の字を逆さまにしたような形状が図面で示されておりますが、同通達中に、『接地極の刃は、直径4.65㎜±0.25㎜の丸棒にすることを妨げない。』(「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について」の別表第四 配線器具 82ページより引用)と記載されているように、アースピンの形状を円柱にすることは電安法上差し支えないとされています。
3ピンタイプのプラグの国内市場での流通状況について
上記のように、3ピンタイプのプラグは電安法ならびに関連法令等で規定されているものであり、実際に家電量販店をはじめとして国内の市場にも広く流通しております。
日本国内で流通している3ピンタイプの電源プラグの一部を下記にて例示します。
これら以外にも家電量販店やECサイトでお探しいただければ、多くの類似の商品が販売されていることをご確認いただけるかと存じます。
また、2005年に行われた内線規程(電気設備の工事方法等を定めた規格)の改訂では、
洗濯機や食洗器等、水気に近い機械が使用する電源については3ピンタイプのプラグが入るコンセントを使用することを義務化したり、住宅に設置するすべてのコンセントは3ピンタイプのプラグが入るコンセントにすることの推奨化が行われました。(*1)
さらに2022年に行われた改訂では特定の場所に設置するコンセントについても3ピンタイプのコンセントの設置が義務化されました。また、2005年の改訂では推奨にとどまった住宅に設置する全てのコンセントを3ピンタイプにすることについては1段階引き上げられ、そうすることが勧告化されました。
このように3ピンタイプの電源プラグは住宅全てのコンセントが対応することが勧告される等、「海外用」「国内使用不可」といったイメージとは正反対に、むしろ昨今では国内での使用促進が広く行われているものです。
(*1) 参考資料として、電気安全環境研究所(通称 JET) が発行しているパンフレットへのリンクを掲載します。同冊子の8ページ以降に上記で述べた事項についての記述があります。
https://www.jet.or.jp/common/data/publication/32.pdf